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茨城県唯一のミニシアター・瓜連あまや座

2017年10月31日 12:00

ゴマです。イバタン。なのに茨城の事を殆ど書かない上に完全趣味の映画館についての記事ばかり上げてしまっていて申し訳ありません・・・というより更新頻度が低くてすいません。

茨城の映画館事情ですがほぼ全てが大手シネコンとなっています。興業こそ違えど多くの作品は似通ったラインナップであり、しかも各映画館が近接(茨城人の交通感覚で)している為お客の入りも集中しているようで妙に分散し、劇場数に対し盛り上がりも見られないような状態です。茨城県民はそもそも映画をあまり見ない人種なのか期待の新作を見に行ったらメイン館に10人しかいないなんて事もあり、映画館マニアとしてはちょっとさびしい気持ちになります。

そんな中で茨城県北に新たな映画館、茨城県唯一のミニシアターがオープンしました!今回は瓜連あまや座についてレポしていきます。今回あまや座の代表の大内さんにお時間を頂いてお話させていただいています。

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瓜連あまや座

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茨城県那珂市瓜連1243

JR水郡線 瓜連駅より 徒歩約5分

茨城人で電車利用のない方は車のアクセスがいいかもしれません。遠方から来る方、水戸の学校に通う学生さんは電車のアクセスがいいでしょう。台数は数えてないですが、元スーパーの敷地内にあるので駐車スペースは十分にあります。

夜はちょっとシックな雰囲気に。
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〇ミニシアターって?

ミニシアターとはシネコンのような大手興業下になく独立した運営(個人や小規模興業)をしている映画館です。ミニシアターと言っても座席数が200席から300席ある場所もあれば2,3スクリーンを有する劇場もあります。あくまでも劇場の規模や数ではなく運営的な意味合いですね。
ミニシアターではシネコンでは見る事が出来ないようなコアな邦画やフランス、ロシア、インドなどの珍しい映画を上映している事が多いです。胸を打つ感動的なドラマや激動の時代を生きた方のドキュメンタリー、中には需要不明なバカバカしい作品まで様々な映画を楽しむ事が出来ます。閉館も多くありましが、多くの映画館がひしめき合う首都圏でも根強い人気を誇るミニシアターも多く存在しています。
かつて水戸駅北口にあった水戸テアトル西友という映画館が閉館して以来、ミニシアター作品は県内ではほぼ完全に見る事が出来なくなっていましたが、瓜連あまや座がオープンしたことにより気軽に楽しめるようになったのです。

〇クラウドファウンディングにより実現した映画館
以前紹介したユニバーサルデザインシアター、シネマ・チュプキ・タバタもそうでしたが瓜連あまや座もクラウドファウンディングにより多くの支援者を得て生まれました。求める人がいれば実現する可能性が得られるというのは素晴らしいことですね。実はイバタン。もこっそりと微々たる支援を行っております。実現して本当にうれしいですね。


オープン後間もない時に訪問した為、窓口ロビーにはたくさんのお祝いや花が飾られていました。

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さりげなく置かれているお酒、実は物凄く希少な物だそうです。
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八重子のハミングより、佐々部清監督、主演の升毅さんのサインが。家族はつらいよ2より、山田洋次監督からの手紙が飾られていました。
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この窓口でチケットを購入、というよりもポイントカードのような形式で鑑賞する作品のスタンプを押されます。これが10作品分集まると1本無料で鑑賞する事が出来るシステムです。

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カードにスタンプをもらったら右手の通路を進むとシアター入口があります。

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通路途中にはトイレが。トイレはユニバーサルデザインとまでは行かずとも車いすのお客にも対応出来るように入口など含め極力段差のない構造になっています。通路から入場出来ない場合、屋外からシアター内に直接入場も可能との事です。

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女性用トイレは2つありました。手洗い場はシアター前のスペースにあります。

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〇シアター内

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暗すぎず、かといって派手すぎず、落ち着いた雰囲気とゆったりと確保されている座席。とてもいい雰囲気でまさにゆっくり映画を見る為の空間という感じですね。失礼な事を行ってしまうと茨城の、しかも瓜連という地区にきちんとしたミニシアターが作れるのかという不安がありましたが、期待以上にしっかり造られていてうれしくなりました。
劇場内を見てみましょう。

〇歴史と思いを受け継いだ座席達。

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座席は2017年1月に老朽化によって閉館となったニュー八王子シネマから譲渡された物です。ニュー八王子シネマは残念ながら訪れた事のない劇場ですが、70年間続いた歴史ある映画館です。口コミや場内の写真を見てもきちんと設備、施設の維持がされているいい映画館だった事が分かります。あまや座の椅子はそんな70年間お客と映画館を支えてきた歴史と思い出が受け継がれています。今後はあまや座でお客と映画館を支えていく事でしょう。クリーニングはされているとは思いますが状態もよく、座り心地も良かったです。座席数は31席です。


〇視聴位置付近には吸音材が貼られています。

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壁反射の影響を受けやすい視聴位置側面には吸音材が貼られています。壁はグラスウールが充填されているわけではなく、木製?の壁でしたが場内の空気感的には音響的に反射が多いわけでも吸音過多でもないいい具合だったように思います。
この吸音材ですが、、、
ゴマ「もしかして大内さんが自分で加工して貼りました?」
大内さん「分かりました?(笑)」
2人「笑」
という会話がありました。よく見ると吸音材のカットに苦戦して微妙に曲がっているのが分かります。自分もホームシアターで吸音材をカットした事がありますがこれがなかなかに難しいんですよ・・・あまや座以外にも限られた資金の中で自分で出来る事は自分でやるというこの頑張りがクラウドファウンディングで支援を受けた人にとってはとても重要な事ですね。

〇スクリーンは民生モデル。映写機は業務機。

スクリーンはシアターハウス社。サイズは140インチになります。

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幅3099mm、高さ1743mmのビスタサイズスクリーンになります。メインスピーカーが下に並んでいるのを見ても分かるように音響透過スクリーンではないのですが、その分透過穴がない分荒さの少ない明るい映像を楽しめます。劇場サイズ的にも大きすぎず小さすぎない良いサイズですね。

プロジェクターは業務モデルです。

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プロジェクターはNEC NC1000C。2KDLPです。サーバーを内蔵し、省スペース化出来る小規模シアター向けのモデルとはいえ最大横幅10.6mまで投射出来るモデルです。3mのスクリーンに投射するには申し分ない能力ですね。


〇サラウンドはControlシリーズ。

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サイドがControl 23-1、バックがControl 1 PROです。フロントスピーカーに比べるとやや力不足にも思えますが費用的な面もあったのかと思います。JBLのシネマ用サラウンドスピーカー8320だとControl 23‐1のおよそ2倍の価格となります。元々サラウンドスピーカーはなり過ぎず、空間に溶け込んでスピーカーの存在に気がつかないくらいがよいので余程サラウンドに低音を入れた作品でもなければ問題ないでしょう。実際にスピーカーを意識しない自然な包囲感がありました。

〇メインスピーカーはまさかの・・・!

静かに鎮座するスピーカ-達。

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まずはサブウーハーから。

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JBLの3635です。46センチウーハーを備えたサブウーハーでこちらもミニシアターなど小規模シアターに向いたモデルになります。スピーカーケーブルはカナレですね。通常お目にかかれない物なのでまじまじ見ていました。31席をカバーするのには十分なモデルです。

そして最大の目玉がこちら。

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日本版のJBL Professionalのページには存在しないスピーカーです。独特の形をしたシネマスピーカー。
なんとこのモデル、国内ではまだ公開されていない、恐らく日本初導入となるJBL200シリーズ、C211です。

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スクリーン上部に設置されるデザインの為か、ホーンが下についています。あまや座では上下逆にして設置していますね。薄型で設置性が高く、歪みを抑えた設計が特徴で既存劇場の更新も狙ったモデルのようです。C211は中小規模の劇場をカバー出来るスピーカーですがまさか地元茨城の瓜連にこんなスピーカーが導入されていようとは・・・!

イバタン。の過去記事を読んで頂いている方は分かると思いますが、最新のスピーカーをいれた、ウーハーを増設した、高出力のアンプを入れた、だからいいという訳ではありません。それでも地元のあまや座に国内第一号の導入となったのはうれしいですね・・・!


〇あまや座の感想

上映前には大内さんより作品についてとあまや座についてのひとことがありました。お客との距離が近くなりますし、演出的にもいいので是非続けてもらいたいですね。ブザーがなり暗転し上映が始まります。予告ではあまや座で上映!の映像が付きます。大内さんはカミスガフィルムクリエイト(KFC)で映画の制作、支援、上映などに関わっていた為自分で作成し流しているそうです。素晴らしいですね。

劇場内は空調の音がやや気になります。エアコンの音によるものですが映画が始まれば気にならない程度ではあります。

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上映前の静かな時、稀に通る車の音がブルルルルル・・・・と聞こえてしまう事が(笑)これも映画が始まって全く気にならないレベルです。限られた費用の中で可能な限り良いものをというのはもちろんですが遮音はかなり難しくお金がかかります。しかしここは茨城!那珂市!瓜連!周りはそこまで交通量もなく、騒がしいものもないのでほぼ問題ないのが田舎の素晴らしいところです。自分もホームシアターやってますが畑の真ん中見たいな所なので苦情は家族からしかありません。

サウンドについてあまや座は音がよいとのコメントをちらほら見かけます。これは自分も同意で極端な吸音もなく、小さな空間で適切な音量で鳴らしている事、スピーカーがスクリーンごしではなく前に出ている事が挙げられると思います。更にC211の音ですが従来のJBLよりもすっきりとした音という印象で声も肥大化せず、ストレートに伸びていきます。気になる点としてはサブウーハーの位置的な問題と非常口確保の為にLRがCに対し左右対称ではない事、スクリーン前にスピーカーがあるので後ろの席に行くほど音がスクリーン下から聞こえるようになりスクリーンとのマッチングがとれなくなる事ですね。どちらもまあ仕方がない事ですね。LCRが若干上向きに傾斜がとれるといいのですが重量物ですし難しいのでしょう。音を聞きたいなら前より、映像を見たいなら後ろよりがいいかと思います。

個人的には映写の良さを推したいです。若干のはみ出しはありますがドンピシャの映写、140インチ、パーフォレーションのないスクリーンに映し出される凝縮されたDLPの明るく濃厚な映写。ラージスクリーンもいいですが小ぶりのスクリーンにカッチリハマった映写はやはり好きです。これに対し惜しいのが迷光が多い事。誘導灯の光も多少目立ちますが反射した光が椅子や場内を照らしてしますので若干映像が浮いてしまったり、集中しにくくなってしまいます。これはまだ対策の余地がありいくらでもよく出来る可能性があるので今後にも期待したいですね!迷光が抑えられれば映像の品質も飛躍的にアップし、集中して映画を見る事が出来ます。

このクオリティでミニシアター系作品を地元で見られるのはうれしい限りです。茨城県はスクリーン数で言えば全国でもかなり多いほうですがミニシアター系作品を見るには東京や神奈川まで行かないと見れない事がほとんどでした。これで見たくても見れなかった映画が県内で見れますね。ラインナップが多くなるのもうれしい事です。


上映後、映写室を見学させていただき、代表の大内さんとお話させていただきました。

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DOLBYプロセッサーCP750とアムクロンのアンプ。アンプが5.1ch分なので7.1ch再生には対応してはいないようです。ミニシアター系作品は5.1chがほとんどなので必要十分ですね。アムクロンかっこいい・・・



・スーパーを改装する予定が独立した建屋を建てた理由はありますか?

消防法など制約が多く、例えば映画館は隣接する建物から2m以上スペースがなければいけません。隣に移動してもらうのも不可能でスーパー自体を小さくする事も難しい。なので思い切って映画館として建ててしまった方が負担やコストをかけずに済みました。

・映写窓は横長で映写室のスペースも広くとられていたのはフィルム映写機を導入する為でしょうか?

フィルム上映はやりたいですが現状映写機がなく、今すぐは出来ません。機会が出来ればフィルム映写機をレンタルするなどして上映を行いたいです。

・KFCで活動されていましたがKFC作品の上映も行いますか?

上映は行いたいが色々と諸事情ありすぐには上映する事は出来ませんが、自分も上映は行いたいので落ち着いてからイベント上映として出来るよう活動したいと思っています。

・スーパーあまやの施設を何かに活用する予定はありますか?

スーパーあまやについては「AMAYA SPACE」=略してアマスぺというライブなどを行えるスペースとしてリフォームしています。こちらはカミスガプロジェクトとスーパーあまや、あまや座の協力体制で運営します。ライブはもちろん、落語や発表会、場所貸しなども行うフリースペースとして運用します。ゆくゆくはカフェなども出来たらいいなと思います。漠然とした考えの部分もありますが実現出来るよう考えていきたいですね。
また11月の1週目後半からテスト的に地元那珂市のパン屋さん、パン工房ぐるぐるさんの軽食惣菜パンを数点劇場にて販売する予定です。


・あまや座の今後の上映で行いたい事ありますか?

近くに小学校があるので児童を招いての鑑賞会やお母さん向けの上映会なども行い反応を見たいです。劇場レンタルによる上映イベントなども積極的に取り組みたいですし、地域に貢献出来るような上映を行いたいですね。

・今後あまや座をどんな映画館にしていきたいですか?

地元の人達に気楽に映画を楽しんでもらう場所として利用してもらいたいです。また水戸や常陸大宮に通う学生にも映画を楽しんでもらいたいですが、今はまだ瓜連あまや座を知らない人が多いです。まずは知ってもらう事から始めなければならないので広告を作り、宣伝に力を入れなければなりません。上映を楽しんで頂き、他の方にもあまや座の事を是非伝えて頂きたいです。片付いていないことも多いですが今後5年、10年と続いていく事に意味があると思っています。


大内さん、お忙しい所ありがとうございました。


自分が見た上映は台風が来ているとは言えお客は2人だけでした。茨城県民は映画に対してあまり関心がなさそうなところもありますがそれではあまりにももったいないです。大手シネコンで大作を見るのもいいですが、ミニシアターで世界に溢れる魅力的な作品に触れてみるのもいいのではないでしょうか?あまや座が瓜連の活性化に留まらず、茨城県内の映画、映画館事情を動かす存在になってほしいですね。今後のあまや座に期待です!
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