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映画館レポ・「見たい映画はこの町で」隠れ家的ミニシアター 横浜シネマリン

2017年08月09日 23:14

ゴマです。先日MRIを撮りましたが中度以上の頸椎椎間板ヘルニアと診断されました。飛び出した椎間板がそのまま背骨にそってだら下がっている為に強い足のしびれがあります。医者からも映画は控えた方がいいねー。と言われました。(現在は手術して直ってます。)

でこちらにお邪魔しました。

横浜シネマリン

横浜シネマリン 外観1



京浜東北線関内駅北口より5分から10分程度、市営地下鉄 伊勢佐木長者町駅、京浜急行日ノ出町駅からも10分以内とアクセスしやすい映画館です。

この映画館は1954年オープンの歴史ある映画館で一度は閉館を危ぶまれるも地元市民の協力により存続しリニューアル、さらに席数を減らし、スクリーンを大型化してリニューアルと単なる老舗ではない活力に満ちた映画館です。今回は横浜シネマリンについて書いていきます。
飲食店を中心に多くのお店が並び、たくさんの人が歩く伊勢佐木町通りのちょっと手前に横浜シネマリンはあります。伊勢佐木町は横浜を代表する歴史の深い繁華街のひとつで1961年に日本で初めて歩行者天国を実施したそうです。

シネマリンの歴史も古く、元は1954年に横浜花月映画劇場(名前は諸説あるそうです)としてオープンします。1963年に1度閉館するも翌年にイセザキシネマ座として再オープン、1989年に松竹系の作品を上映する横浜シネマリンに館名を改めます。昔は20館を超える映画館があった伊勢佐木町ですが多くは閉館、横浜シネマリンも設備のデジタル化に四苦八苦し、一時休館・閉館の危機となりますが、映画サークルで活動してきた現オーナーの八幡さんを筆頭に見事再オープンを果たしました。施設・設備の老朽化によりやむなく閉館した劇場もありますが、デジタル化に対応出来ず多くのミニシアターが閉館してしまった中で復活を果たした横浜シネマリンは多くのミニシアターの希望になるでしょう。


横浜シネマリン 外観2

シネマリンの入り口の横には喫茶あづまというお店があります。

喫茶あづま 外観

こちらもシネマリンと同じく60年の歴史をもつ喫茶店です。シネマリンは自由席なので早めにチケットを購入したあとの待ち時間や映画の鑑賞後一息入れるのに利用するお客も多いようです。とても穏やかな空気の喫茶店でお店の方の対応もやわらかく快適な待ち時間となりました。

メニューはこちら。
喫茶あづま メニュー1

喫茶あづま メニュー2

今回ケーキセットでお勧めのチョコレートケーキを頂きました。くどくない甘さのケーキがとてもコーヒーに合います。

喫茶あづま ケーキセット(チョコ)

こちらのお店も後ほどレポして記事にしたいですね。

コーヒーを飲んだらシネマリンに向かいます。

シネマリンの外観を見て見ましょう。ピアノを思わせるカーブ。この外観も新装オープン後にリニューアルされているようです。

横浜シネマリン 外観4

館名の横には猫と映写機が。

横浜シネマリン 外観3

この猫については後ほど・・・映写機マークは近くにあった旧シネマリン入口時代からも受け継がれているようです。

横浜シネマリン 外観5
横浜シネマリン 外観6

横浜シネマリン 外観7

入り口の先には地下への階段があります。こういった小規模のミニシアターの入り口が地下だとちょっとした隠れ家や知る人ぞ知る秘密のお店のようでワクワクした気分になるのは自分だけじゃないはず。入口付近にモニターが設置されているので今どんな映画がやっているんだろう?と覗いてみるのもいいでしょう。

横浜シネマリン 階段1

階段の途中に上映作品のポスターが。

横浜シネマリン 階段2

ガラスの扉の先がロビーです。

横浜シネマリン 入り口

リニューアルされたこともあり、清潔感のある空間です。席数に対しては小さなロビーと言えますが近くの商店街を回るもよし、喫茶あづまで過ごすもよしなので十分な広さとも言えるでしょう。

横浜シネマリン ロビー1

横浜シネマリン ロビー3

よく見るとプロジェクターが設置されています。イベント時などは色い壁面に映像が投射されるのでしょう。スピーカーはBOSEでした。

横浜シネマリン ロビー7

横浜シネマリン ロビー8

チラシ類や上映作品の展示も豊富なのがうれしいですね。

横浜シネマリン ロビー2

横浜シネマリン ロビー5

横浜シネマリン ロビー4

トイレもきれいに清掃がされています。こういったところにきちんと手が届いているのはとてもいいですね。

横浜シネマリン トイレ1

横浜シネマリン トイレ2

チケットカウンターがこちら。事務所兼映写室がその後方にあると思われます。

横浜シネマリン ロビー6


チケットは自由席の整理番号順です。初めて訪れた際、混雑具合を電話で確認しましたが非常に丁寧な回答をいただけました。新作上映時などは混雑する可能性があるので問い合わせするといいかもしれません。劇場左側から退席、右側から入場となっています。


横浜シネマリン・場内


横浜シネマリン シアター内 1

横浜シネマリン シアター内 2

地下の小規模劇場ということもあって天井低めになっています。Q-AXシネマを思い出させるような余計な装飾がない空間で黒が非常に深いです。縦に長い劇場なので大きな映像を楽しみたい方は前寄りがお勧めです。


座席も黒のハイバックシート。

横浜シネマリン シアター内 6

緩めの傾斜の劇場ですが前の椅子や頭は気にならなかったです。

壁面は吸音材が貼られています。サラウンドスピーカーはおなじみのJBLの8340a。サラウンドはJBLですが、L,C,RとSWはMeyer SoundのUPAとUSWが使用されています。

横浜シネマリン シアター内 3

右側は通路になっている為サラウンドスピーカーが面白い設置になっています。

横浜シネマリン シアター内 4


吸音材の間にはLEDが組み込まれていますが点灯していませんでした。映写窓を覗くとデジタルとフィルムの映写機が並んでいますね。

横浜シネマリン シアター内 7

スクリーン側。

横浜シネマリン シアター内 5


真っ黒で何が何やらですが本当にこんな感じです。上映開始に合わせてカーテンが開きます。カーテンは袖の方へカーブしながら納まる不思議な方式。太古張りのフラットタイプ、ホワイトマットスクリーンです。

何がなにやらな黒い写真ばかりになってしまいましたが公式ページを見ると機材名やスクリーンの写真なども見る事が出来ます。

横浜シネマリン 公式ホームページ

プレビューは360度劇場の中を見る事が出来ます。

シネマリン 場内

LEDが点灯すると一気に印象が変わりますね。場内のライティングが好きな自分としては是非点灯して欲しいです。初訪問時場内があまりにも暗かった為にスクリーン左右上部にスピーカーがあった事に気がつきませんでした・・・カーテンが袖壁にカーブして納まっている様子がよくわかりますね。


〇シネマリンレポ

場内の暗さが深い事もあり映像への集中度が非常に高いです。久々に環境的な面で映画に没入することが出来た気がします。天井や左側の壁のLEDがやや反射していますが右側は通路があるのもあってほぼ映像の跳ね返りがゼロです。場内に反射するものがほとんどないので映写機のランプの光に照らされた椅子が気になるほどでした。映写機の窓が大きい事もあると思うので上手くこの辺りが改善できればさらに上質な上映環境となると思います。ホワイトマットとDLPの組み合わせはやはり深みと立体感があっていいですね。太古張りの為四つ角は切れていましたがほぼドンピシャの位置だったと思います。シネコンや特にULTIRAやIMAXなどの大画面に慣れてしまうとかなりスクリーンは小さく感じるかもしれません。映写機とスクリーンの高さの差がシネコンのように大きくないので歪みはほとんどなくカチッとピントのハマった映写でした。シネマリンのトレーラーもよかったですね。


音に関しては特にシネマシティのファンが聞いたら驚くであろうサウンドであると思います。爆音や極音で様々な映画に合わせた魅力の音を提供してきたシネマシティの音に対してシネマリンの音はびっくりするくらい淡白、でもストレートな音になっています。本来のMeyerの音はどちらかと言えばこちらの音です。あまりにも特徴あるスピーカーではコンテンツの音に色がついてしまい、本来意図した音とは違う物になってしまう事があります。ホームページ内にもありますが、映画関係者から音がよいと評価されるのはこのモニター力にあると言えるでしょう。
サラウンドも極端に鳴らすわけではなく空間に溶け込むように鳴ります。全てのスピーカーがスクリーンを基準に空間に調和しているのがとてもいいですね。
今のシネコンのような巨大スクリーン、イマ―シブサウンドのような強力な物量に比べると地味ですがこういったコンテンツをありのままに再生出来る映画館と言うものは製作者サイドから見ても非常に必要なものであると言えるでしょう。地味な凄さという一般には評価されにくいところなので設備が好きでシネコン中心に映画館を利用する人にこそ是非体験して欲しいと思います。


上映後、オーナーの八幡さんにお話を伺う事が出来ました。

〇シネマリンの猫

横浜シネマリン 猫

屋外のパネルやホームページ上に見られる猫。この猫とメンバーズカード案内のページに描かれている女の子には設定があるそうです。
猫は伊勢佐木町界隈に詳しい街猫、女の子は食いしん坊でこの猫に案内され伊勢佐木町を巡ります。同じ様に商店街やミニシアターを巡って楽しんで欲しいという思いがあるそうです。まるで猫に誘われた女の子がシネマリンの階段を下りていくようにも見えます。猫は八幡さんの飼い猫がモデルだとか。ミニシアター巡りについても横浜ニューテアトル(残念ながら閉館)やシネマ・ジャック&ベティなどミニシアターが近くにあり協力関係であるのも理由です。様々な劇場との提携や割引などにも注目したいです。ミニシアター閉館のニュースが多い中、協力しながら様々な試みで映画を上映するのはとてもいいですね。こちらのマップ作りなどに力を入れたいが忙しくなかなか手が回らないとの事でした。

〇変わった稼働カーテン
スクリーンを大型化する上であのように左右をロールさせないとスクリーンにカーテンが被ってしまうからだそうです。可能な限りスクリーンを大きくする辺りにも映像に対するこだわりが見られますね。ここでしか見られない物になっています。

〇場内のLED照明は?
ホームページ上の360度の画像では煌々と光っていたLED照明。他の劇場でもデザイン照明をつけていない劇場がある為何か理由があるのかと思いきや、特に深い意味はなく、何となく、つけていなかったようです(笑)元はと言えば場内があまりに地味だったために施工業者さんがつけてくれたものらしいです。個人的には照明は演出で消灯、点灯も楽しみである事や単純にカッコよかった為に点灯を希望しました。「じゃあ使うようにしようかな?」との事ですw

〇サラウンドがJBLなのにフロントがMeyerなのはなぜ?
今シネマシティのラインアレイで国内でも一気に知名度の上がったMeyer。シネマリンもMeyerの音にこだわったか、と思いきや以外にもスクリーンサイズに対して適切なシネマスピーカーがなかった為、音響屋さんに選定してもらったとの事。しかしながら本来Meyerのもつモニター力の高さから映画関係者の方から「他の劇場では出ない音がここではしっかりと聞こえる」という評価を得ているとか。映画を作る側が求める品質を持っているという裏付けと言えるでしょう。

〇音量へのこだわり
MeyerのPAスピーカーは音楽作品との相性が良いと評判になっていますがこの劇場では音楽作品の場合ちょっと音量を上げたりするなど細かな音量調整を行っているとのこと。縦長の劇場の為前方が大きすぎず、後方が小さすぎない音量を意識しているとの事。音に対するこだわりが現われているポイントです。八幡さん曰く「ウーハー追加しての爆音上映もやってみたい(笑)」とのことです。音漏れの問題については上階にいるシネマリン関係者には丸聞こえのようですが、周囲のお店等には影響ないらしいです。ただ劇場が小さい為に低音の制動といった対策も必要で課題は多いようです。ミニシアター作品には音が良いものもありますし、音楽ドキュメンタリーなども多いのでシネマリンだから出来る上映もあるかもしれません。

八幡さん、お忙しい中お話頂きましてありがとうございました。


1スクリーン102席の小さな劇場ですが、裏設定や他のミニシアターとの協力、映写・音のクオリティの高さと今後も注目の映画館であると思います。シネコン激戦区でもある横浜周辺ですがついでにハシゴして覗いてみるのもいいかもしれません。途中で猫を見かけたら素敵な事がありそうな劇場でした。

ちなみにホームページ上の猫。

横浜シネマリン ホームページ_R



クリックするとミャア~と鳴くのがかわいいです。こういった遊び心も楽しいですね。伊勢佐木町の映画館の歴史はこれからも続きます・・・
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