THX認定の映画館って?

2016年03月16日 00:33

スターウォーズEP7に合わせ特別調整を行ったイオンシネマ海老名のスクリーン7番。この音に感動した人たちのコメントが数多く投稿されたことでTHXの関心が一気に高まりました。

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THX認定の映画館はどういう映画館なのか、他と何が違うのか、意外と知られていません。今回はイオンシネマのホームページにも詳細が載っていますので簡単に説明、補足したいと思います。
○THXとは?

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スターウォーズ1作目が公開された当初、上映している映画館のクオリティの低さに落胆したジョージ・ルーカスが製作者の意図を正確に表現出来る環境を造る為に様々な基準を設けました。この基準を満たした映画館がTHX認定館です。



イオンシネマホームページ・THXの説明

簡単に言えばスクリーン位置を見やすいサイズ、位置に指定、THXが認定した機材を使用、室内の空調の音や劇場外部の音が
基準値以下、音の響きや特性、レベルと言った細かい指定を全て満たした劇場であるというのがTHXの劇場というわけです。

勘違いをしている方がいますが、IMAXと混同しているのかTHXという名前のシステムが入っていると思っている人がいますがそれは間違いです。

THX認定館であるという事はこの映画館は映画を上映した際に製作者の意図を正確に再現出来る環境が保障されています

と思ってもらえれば間違いないと思います。
THXの由来はルーカスの作品THX-1138から来ているという説とTHXにかかわったトム・ホールマン~Tom Holman Experiment~から来ているとされています。


○THXは特殊な設備なのか?

実はTHX劇場の設備と一般的な映画館の設備は同じだったりします。例を挙げればTOHOシネマズひたちなかのメインシアター・シアター5のメインスピーカーはJBL 5674、シアター4はJBL 4632TとどちらもTHX認定機材です。サラウンドスピーカーの8340Aとサブウーハーの4642AもTHX認定機材です。各メーカーの上位機種はTHX認定機材なので必然的に導入されているんですね。

劇場の構造にしてもTHX導入当初(1993年・ワーナーマイカルシネマズ海老名・東岸和田が商業映画館初)に比べ建築技術も飛躍的に向上したため劇場によってはTHXの認証を得る能力を持った劇場も普通に存在しているわけです。


○THX認定をなぜ受けないか、なぜTHX認証をやめるのか。

ずばりお金の問題です。THX認証にはお金がかかり、なおかつその品質が維持出来ているかの監査を年に1回行います。これもお金がかかります。THX認定でなくとも劇場の品質が大きく上がった事、各映画館で独自の規格(HDCSやMOVIXオリジナル規格など)が生まれ各映画館の特色を大きく前面に出してきたという事でTHXの持つブランド力が低下したのも原因と言えます。THX認定館からHDCS、IMAX、TCXに改装を行った劇場も多いですね。


○THXは最高の体験が出来るのではないのか。

これはTHXに関わらずIMAX等にもある落とし穴ですがTHXは製作者の意図を正確に再現できる基準をクリアした劇場であって最高を保障しているわけではありません。

重要なのは製作者の意図を正確に再現する

これなのです。つまりTHXの基準をギリギリクリア出来た劇場でもTHX劇場になれるのです。定期的な監査は行われるので一定の能力、音質、画質を保障出来ているとう事については信頼出来ます。

ただしTHXだからこそ可能なTHX認定館も存在します。


○イオンシネマ海老名のTHXは素晴らしかったがなぜか。

イオンシネマ海老名のスクリーン7は姉妹館の東岸和田(閉館)と共に日本初のTHX認証を受けた映画館です。

イオンシネマ海老名スクリーン7
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シネコンがなかった1993年当初、こんな劇場が突然オープンすれば見る人全てが驚いただろうと思います。現在の日本のシネコンの基準になった劇場でもあり、日本初という事で劇場設計も贅沢なものになっています。機会があれば詳しく書きたいですが1993年の劇場でありながら現在の最新のシネコンにも引けをとらないという事実がこの劇場の恐るべき能力を物語っています。

THXだからすごいのではなく

イオンシネマ海老名のTHXだからこそすごい。

というわけです。今回の調整は響きを抑え、シャープな傾向の音になった印象ですが、他の映画館の特別音響と大きく異なるのはどの作品でも製作者の意図を正確に、しかも高品質に再現することが出来る点でしょう。調整も極端ではなくたとえば重低音は重く響いてもメインの音を全く邪魔しないところがすごい事なのです。サラウンドにしても特殊劇場構造と計算されたスピーカー配置により個人的にはDOLBY ATMOS以上の立体音響を楽しむことが出来ました。


閉館してしないましたが、自分が旅した映画館(80館くらい)の中で最強最高の上映品質を持った映画館もTHX認定の映画館でした。今でもあの音響、映写は忘れることが出来ません。この映画館もTHXだからこその劇場で第一級試写室レベルの能力でした。


○THXはどこを選べばいいか?

これは好みにもよるので何とも言えませんが、気になる映画館があればTHXに関わらず一度行ってみるのがいいと思います。THX認定であれば少なくとも標準クラスの能力は最低でも満たしているので下手に低音を増したりサラウンドを増したりしている映画館よりは正確な音だとは言えます。個人的にはワーナーマイカル最後のTHXとなったイオンシネマ福岡、HDCSとの二枚看板で人気となったシネプレックス幕張が面白いと思います。

イオンシネマ福岡は新しいワーナーマイカルのよさのある明るく伸びやかな音でありながら量感ある重低音もしっかり鳴らす劇場でした。

イオンシネマ福岡

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シネプレックス幕張はシネプレックスの中でも独特な「幕張の音」になっています。イオンシネマ系の音色とは大きく異なり厚みのある音になっているのでTHXの中では変わり種と言えるかも知れません。

シネプレックス幕張

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THX認定映画館といってもいろいろな所があることが分かってもらえたかと思います。自分もTHXは閉館した場所込みで13スクリーンだったかと思います。よいTHXがあれば是非行きたいですね。イオンシネマ海老名の性能は本当に素晴らしいので見たい映画が上映されればまた是非とも向かいたいと思います。

Audience Is Listening・・・
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